新感染 ファイナル・エクスプレス前日譚『ソウル・ステーション/パンデミック』感想

韓国映画

アンニョンハセヨ!寝ても醒めても韓国大好き!sakiです。

パンデミックにより荒廃した韓国からの脱出を描いた『新感染半島 ファイナル・ステージ』

ソウルから釜山までのKTX内での攻防を描いた『新感染 ファイナル・エキスプレス』

2作品とも、手に汗握る映画でしたね。

『新感染 ファイナル・エキスプレス』にて、ソグ(コン・ユ)とスアン(キム・スアン)が早朝から車でソウル駅に向かっていた最中、ソウルで火事が起こっていたシーン。皆さんは覚えていますか?

今回ご紹介する『ソウル・ステーション/パンデミック』を見ていただければ、ソグとスアンがソウル駅に向かっている最中、ソウル駅周辺で何が起こっていたのかが分かります!

おさらいはこちら!

※ネタバレを含みます。

(原題:서울역 2016年)

映画『ソウル・ステーション/パンデミック』の見どころ

簡単なあらすじ

ソウル駅周辺。首から血を流した老人が歩いている。近くにいた男性が大丈夫かと声を掛けようと近付くが、老人からの”臭い”でその老人がホームレスだと言うことが分かると、暴言を吐いて助けない。老人の弟は助けを求めあちこち奔走するものの、老人は何故か忽然と姿を消してしまっていた。

場所は変わってソウルのとある宿。彼氏のキウン(イ・ジュン)と一緒に暮らしているヘソン(シム・ウンギョン)。お互い定職に就いていないため、宿のオーナーさんに宿泊代の催促をされてしまうヘソン。キウンにどうにかならないかと相談しにネットカフェに向かうと、キウンはヘソンの寝ている画像を使って売春しようとしていた。喧嘩になってしまった二人は、そこで喧嘩別れをしてしまう。お互い別々で行動している最中に、感染者と遭遇。その後も感染者が急増するソウル市内。警察も病院もパンデミックと化した状況で、二人は生き延びて再会することを約束する。

社会の底を体感する映画

映画冒頭に登場した老人とその弟はホームレス。周囲の人に暴言を吐かれ、助けを求めてもまともに対応してくれる人は殆どいませんでした。警察へ助けを求めても、靴を履いていないだけでまともに対応してくれません。明らかに人間ではなくなっている人々をも「ホームレス」と称し、ホームレスが暴動を起こしていると誤った情報を伝達していました。ヘソンも元風俗嬢。彼氏のキウンに『2度と売春なんてしないっていったでしょ』と言っているあたり、キウンに売春をやらされていたんだな、と推測できます。キウンもまともな仕事をせず、ネットカフェに行ってばかり。たまにヘソンにお金を稼いでもらって、ヒモ男として生きていたんでしょう。ヘソンと一緒に行動していたおじさんもホームレス。『家に帰りたい』と何度も嘆くヘソンに『俺には家が無い』と言うシーンは見ていて辛かったです。何とも登場人物の設定が暗いですよね。

ヘソンを探していたのはヘソンのお父さんではなく、風俗店の”パパ”だった

この映画の一番怖かったシーンと言えば何と言ってもこのシーンです。やっとのことで再会できたヘソンとキウン。キウンからの連絡で、キウンがヘソンの父と一緒に行動していることを知ったヘソン。キウンと再開し父とも感動の再会!…と思いきや、そこにいたのはヘソンの父ではなく、ヘソンが風俗嬢をやっていた頃の風俗店の店長だったんです!実はヘソンが売り上げを持ち逃げしたお陰でお店の経営は悪化。その為ヘソンをずっと探していました。一番背筋凍りましたね…。なぜヘソンの居場所を突き止めたのかと言うと、冒頭にキウンがインターネットにヘソンの写真を公開したからです。すごい執着…。

誰も助からない暗いオチ※ネタバレ注意

ヘソンと一緒に行動していたホームレスのおじさんは機動隊によって射殺されてしまいます。キウンは風俗店のパパに殺され、ヘソンは感染者が引っ掻いた傷から感染が広がり、感染者と化します。ヘソンを暴行しようとした風俗店のパパは最後のシーンでヘソンにひどく噛み付かれていたので、間も無く感染するでしょう。気のせいかもしれませんが、ヘソンの私情を挟んでいるのか、噛み付き方が激しかった様な…。こうして主要の登場人物がみんな死ぬか感染してしまう、何とも後味の悪い結末でした。

個人的にホームレスのおじさんは、帰る家も無いと言っていたので、『もっと遠くへ逃げないと』と言っているあたり、一体どこへ行く気なんだろうと疑問でもありましたね。感染する前に射殺されてしまいましたが、その方がおじさんは楽だったのかな…なんて思います。

疑問点

  • 引っ掻かれても感染するの?

ヘソンは噛み付かれてはいませんでしたが、足を感染者に引っ掻かれたことが原因で感染していました。続編2作品とも、その様な描写は無かったので、ヘソンが感染した時は『エッ!?何で!?』とびっくりしました(笑)

  • 感染源がよく分からなかった

『新感染 ファイナル・エキスプレス』ではユソン・バイオ社から何らかの汚染物質が漏れ出したことがパンデミックの原因だと分かりました。更に、冒頭シーンで鹿が轢かれた後、生き返るシーンがありました。あそこはチニャンと言う村での出来事です。チニャンの場所を調べたら、韓国の東側の方で、ソウル~大田と同じくらいの距離でした。果たして、チニャンからどんな経路でソウル駅のホームレスに感染したんだろう?と未だに疑問です…。

感想

3作品をそれぞれ比べると、一番後味の悪い映画でしたが、伏線がいくつか回収出来たので、すっきりしました。例えば『新感染 ファイナル・エキスプレス』のホームレス。この作品の貴重な生き残りだったことが分かります。そして同作品で冒頭に乗り込んできた感染者の女性。この女性もソウルでのパンデミックに巻き込まれ、逃げてきたものの遅かったようですね。因みにヘソン役の声を担当したシム・ウンギョンさんが演じてます。3作品、まとめて視聴されることをおすすめします。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

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